「結局は人対人」 韓国で教えられた仕事の信頼

赴任直後、諸手続きの合間に始まった着任挨拶。
主要なお客様への訪問には、必ず会食がありました。

酒席では、相手の人となりを知る時間が流れていました。
スプーンでご飯を食べていると、お客様が自然におかずを乗せてくれる。
お酒は正面を向かずに飲むのが礼儀だと知り、最初は気を張っていましたが、やがて乾杯が続き、ただ飲むことに集中するしかなくなります。

初めての酒席は、勝ち負けというより、
「腹を見せる場」だったのかもしれません。
私は何度も飲み負け、記憶をなくすほど酔いました。

翌日には、必ず礼状を書きました。
酒席でのお詫びと、感謝を言葉にして送る。当時、官製はがきは270ウォン。
日本円で25円ほどで、韓国中に気持ちを届けることができました。

ある日の会食後、締めにカキ氷を食べに行きました。
大きな器を囲み、同じスプーンで食べる。
初対面の相手と距離を縮める、その自然さに驚きました。

赴任から数年後、ボイコット・ジャパンが起こりました。
不安がよぎる中、あるお客様から届いた一通のメール。

社会情勢は変わっても、結局は人対人です。

その言葉に、心がほどけました。
本当に情の深い人たちに出会えたと、今も思います。

韓国での酒席や、そこで感じた距離感については、別の記事で、もう少し具体的に書いています。

▶︎ 負け続けた酒席で、なぜ嫌われなかったのか

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