負け続けた酒席で、なぜ嫌われなかったのか

韓国に赴任して間もない頃、
お客様への着任挨拶には、必ずと言っていいほど酒席が伴いました。

私は現地法人の代表という立場ではありましたが、
実際には社員に同行してもらい、
お客様との時間を共有させていただく側の人間でした。

酒の飲み方も、場の空気も、最初は何も分かりません。
正面を向かずに飲むこと、
乾杯が何度も続くこと、
そして、遠慮なく杯が進むこと。

気づけば、
「うまく飲む」ことよりも、
「とにかく正直に飲む」しかできなくなっていました。

私は酒に強いほうではありません。
無理に虚勢を張れるほど器用でもなく、
飲めば顔に出るし、酔えば言葉も少なくなります。

何度も飲み負け、
恥ずかしながら記憶をなくすほど酔った夜もありました。

それでも、不思議と酒席のあとに関係が途切れることはありませんでした。

いま振り返ると、
それは「強いか弱いか」ではなく、
どう負けるかを見られていたのだと思います。

取り繕わず、
背伸びもせず、
与えられた場を、そのまま受け取る。

腹を見せる、という言葉がありますが、
最初の酒席は、
その人がどんな人間なのかを確かめる時間だったのかもしれません。

私は勝てませんでした。
でも、嘘もつきませんでした。

それが、
嫌われなかった理由だったのではないかと、今になって思います。

こうした酒席の翌日、私が必ずしていたことがあります。
それについては、次の記事で触れています。

▶︎ 翌日に書く1通の礼状が、自分を支えていた

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